四十九日を終えても、一周忌、三回忌と法要は続きます。そのたびに手が止まるのがお布施で、前回と同じでよいのか、回を重ねたら減らしてよいのか、誰も教えてくれません。
法要のお布施は、四十九日と一周忌ならおおむね3万円から5万円が一つの目安とされます。三回忌から先については一律の相場がなく、寺や地域によって額が大きく離れます。
回忌別の目安から、額が動く要因、御布施の表書き、金額を寺へ尋ねる切り出し方まで、次の法要に間に合う順にまとめました。自分の家の宗派と菩提寺の慣習に置き換えながら読み進めてください。
回忌別のお布施の相場
お布施は読経への謝礼であって、値段が示されるものではありません。ここでは回忌ごとの目安と、三回忌から先に相場が語られない理由、お布施以外に包むお金を説明します。
四十九日と一周忌は3万〜5万円が一つの目安
お布施は、読経を営んでくれた僧侶へ渡す謝礼です。四十九日法要でも一周忌でも、おおむね3万円から5万円あたりが一つの目安とされます。読経の料金という性質のお金ではないため、値札も定価もありません。手がかりが何もないまま包むのは難しいので、まずはこの幅を頭に置いてください。
目安が同じだからといって、毎回きっちり同じ額をそろえなければならない決まりはないでしょう。寺との付き合いや、その年の法要の形によって上下するお金です。四十九日の封筒や渡し方までさかのぼって確かめたい方は、四十九日のお布施の記事もあわせてご覧ください。
三回忌以降に一律の相場はない
三回忌から先のお布施には、これといった相場がありません。四十九日や一周忌のように広く語られる目安がなく、寺や地域で額が大きく離れるためです。一周忌と同じだけ包む家もあれば、招く人数が減るのに合わせてやや控えめにする家もあるでしょう。
| 回忌 | 命日からの年数 | お布施の目安 |
|---|---|---|
| 四十九日 | 命日から49日目 | 3万〜5万円が一つの目安 |
| 一周忌 | 満1年目 | 3万〜5万円が一つの目安 |
| 三回忌 | 満2年目 | 一律の相場はなく寺や地域で変わる |
| 七回忌 | 満6年目 | 一律の相場はなく寺や地域で変わる |
| 十三回忌以降 | 満12年目から | 一律の相場はなく寺や地域で変わる |
| 三十三回忌 | 満32年目 | 弔い上げとする家が多く、額の決まりはない |
三回忌以降の額を1つの数字で言い切っている記事を見かけても、そのまま当てはめない方が安全です。回忌が進むほど法要は小さくなり、寺との付き合い方も家ごとに離れていきます。前回いくら包んだかを控えておき、それを基準に菩提寺へ相談してください。
御車代と御膳料は別に5千〜1万円ずつ用意する
僧侶へ渡すお金は、お布施だけとは限りません。寺の外の会場へ足を運んでもらうなら御車代を、法要後の会食を辞退されたなら御膳料を、それぞれ5千円から1万円ほど別に用意します。回忌が変わっても考え方は同じで、一周忌でも七回忌でも、その場面が来れば包むお金です。
3つを1つの封筒にまとめてしまうと、僧侶の側で内訳がわかりません。用途ごとに封筒を分けてください。会場を寺の本堂にした年は御車代が要らず、会食を設けない年は御膳料が要るというように、必要な封筒の数はその年の段取りで変わるでしょう。法要の形が決まった時点で、何を何通用意するか数えておきましょう。
回忌ごとの法要の規模
お布施の額は、その法要に何人を招くかと連れ立って動きます。ここでは一周忌から弔い上げまで、回を重ねると法要の規模がどう変わるかを見ていきます。
一周忌は親族を広く招く大きな法要
一周忌は、命日から満1年目に営む法要です。四十九日と並んで参列者を広く招く場で、親族のほか故人と親しかった方まで声をかける家が多くあります。読経のあとに会食を設ける流れも四十九日と変わりません。規模が近いぶん、お布施の目安も四十九日と同じ3万円から5万円あたりに収まります。
人を多く招けば、御膳料や引き出物といったお布施以外の出費も動きます。会場を寺の外に借りるなら御車代も加わるでしょう。一周忌は、この先の法要をどう営むかを親族で話せる大きな機会にもなります。日取りを決める電話のついでに、次の三回忌の見当も菩提寺に聞いておいてください。
三回忌以降は招く範囲が身内へ狭まる
三回忌は、命日から満2年目に営む法要です。数え年で三回目にあたるため、満2年で三回忌と呼びます。ここから先は招く範囲が遺族と近い親族だけに狭まり、七回忌、十三回忌と進むほど人数は減っていくでしょう。会食を設けず読経だけで済ませる家も珍しくありません。
参列者が減れば、法要そのものの負担も軽くなります。お布施を一周忌と同じだけ包むか、規模に合わせて控えめにするかは家の判断です。どちらが正しいという決まりはないので、菩提寺の慣習に合わせるのが無難でしょう。何回忌がいつ来るかは回忌法要の早見表で確かめておいてください。

三十三回忌の弔い上げで回忌法要を締めくくる
回忌法要は延々と続くものではなく、どこかで区切りを迎えます。三十三回忌を弔い上げとして、そこで年回りの法要を終える家が多いところです。五十回忌まで営む家もありますが、施主自身が年を重ね、故人を知る人も減っていくため、三十三回忌で締めくくる形が広く選ばれてきました。
弔い上げの法要をどう営むかは、菩提寺と相談して決めます。包む額についても、ここまでと同じで決まりはありません。継ぐ人がいないため墓を片づけるなら、檀家をやめるときに包む離檀料の相場の記事もあわせて読んでおくとよいでしょう。何回忌まで営むかを含め、早めに菩提寺の考えを聞いてみてください。
お布施の額が動く要因
同じ回忌でも、包む額は家によってそろいません。ここでは寺との付き合い、地域と宗派、その年の法要の形という3つの要因を見ていきましょう。
寺との付き合いの深さで包む額が変わる
お布施は、僧侶を通じて仏へ捧げる供養の気持ちを表すお金とされてきました。値段が付いていないのは、代金ではないからです。菩提寺との付き合いが長い家、法事のたびに世話になっている家ほど厚めに包む例もあり、周りと同じ額にすれば正解というものでもないでしょう。
檀家として寺を支えてきた家と、この法要だけ僧侶を頼む家とでは、前提そのものが違います。近所の家がいくら包んだかを聞いて回っても、自分の家の答えにはなりません。親や親族が過去の法要でいくら包んだかを聞ける立場なら、その額をたどるのが一番の近道です。過去の記録が残っていないか、まず家の中を探してみてください。
地域と宗派で金額の感覚が離れる
地域による違いも小さくありません。都市部と地方では法要にかける費用の感覚が離れており、親の代の額や、他の土地に住む親族の額をそのまま持ち込むと浮いてしまうこともあるでしょう。同じ市内の寺どうしでも、檀家の慣習が違えば包む額はそろいません。
宗派によっても供養の考え方は変わります。相場を書いた記事を1本読んで決め打ちせず、まず自分の家の宗派と菩提寺を確かめてから金額を考えてください。宗派がわからないなら、仏壇の本尊や位牌の戒名、過去帳が手がかりになります。親族の年長者に電話で聞くのが早い場合も多いはずです。
会場と会食の有無で包むお金の数が変わる
その年の法要をどこで営むかによって、用意する封筒の数は動きます。寺の本堂で読経してもらうなら僧侶は移動しないので、御車代は要りません。自宅や斎場、料理店へ来てもらう年だけ、御車代を1通足すことになります。
会食を設けるかどうかも同じです。僧侶が同席するなら御膳料は不要で、辞退されたときや会食そのものを設けない年に用意します。次の法要を控えていたり遠方から足を運んでいたりすると、会食を辞退されることも珍しくありません。三回忌から先は会食を省く家が増えるため、お布施と御膳料の2通になる年も出てくるでしょう。会場と会食の形が決まったら、その場で必要な封筒を数えて書き出しておきましょう。
法要のお布施の表書き
表書きは回忌によって書き換えるものと思われがちですが、実際は動きません。ここでは御布施の書き方と、香典側で変わる御霊前と御仏前の違いを押さえておきましょう。
表書きは何回忌でも御布施のまま
表書きは、封筒の中央上に「御布施」と書きます。四十九日でも三回忌でも三十三回忌でも、この言葉は変わりません。僧侶へ渡す謝礼という性質が回忌によって変わらないためです。下段には施主の名前か「〇〇家」を入れてください。
御車代と御膳料も、それぞれ別の白封筒に「御車代」「御膳料」と書いて分けます。回忌が進んで法要が小さくなっても、この書き分けは省きません。中袋への金額の書き方や、袱紗と切手盆を使った渡し方は四十九日のお布施の記事にまとめたので、封筒を書く前に一度目を通しておきましょう。
御霊前と御仏前は香典の表書きで使い分ける
回忌によって書き換えるのは、お布施ではなく参列者が包む香典の表書きです。通夜から四十九日の忌明け前までは「御霊前」、忌明けより後の一周忌や三回忌では「御仏前」と書くのが一般的とされます。故人が四十九日で霊から仏になるという考えに沿った使い分けで、法要へ招かれる側が迷いやすいところです。
浄土真宗では、亡くなってすぐ仏になる往生即成仏の教えから、通夜のときから御仏前を用いて御霊前は使いません。
神式では御玉串料や御榊料、キリスト教では御花料と、宗教によって香典の表書きが変わります。故人の家の宗教を確かめてから包みましょう。:::
法要へ招く側なら、この違いを知っておくと親族から聞かれたときに答えられます。案内状を送るときに宗派を添えておくと、参列者が表書きで迷わずに済むでしょう。
### 封筒は白無地か奉書紙を選び濃い墨で書く
封筒は、水引の付いていない白無地のものを選びます。文具店やコンビニで手に入る、郵便番号の枠がない無地の封筒で構いません。丁寧に整えるなら、半紙で中包みを作って奉書紙をかける形が正式とされてきました。黒白の水引が付いた香典袋は、性格が違うお金なのでお布施には使いません。
墨の色は濃い墨でかまいません。薄墨は通夜や葬儀で悲しみを表す色ですが、法要は日を選んで営むものなので、薄める理由がないためです。一周忌や三回忌の案内状を出すときも同じ考え方になります。筆ペンを買い足すなら、薄墨と濃墨の2本入りではなく濃墨だけで足りるでしょう。
## お布施の額を寺へ尋ねる方法
額に迷ったまま当日を迎えるより、先に聞いてしまう方が早い場面は多くあります。ここでは菩提寺への切り出し方と、菩提寺がない場合の尋ね先を確かめておきましょう。
### 額は寺に率直に尋ねてよい
金額を寺に尋ねるのは失礼にあたる、という思い込みを持つ方は多いでしょう。率直に聞いてかまいません。「皆さまはどのくらい包まれていますか」と尋ねれば、たいていの寺は目安を教えてくれます。お気持ちでと返されたら、その寺の檀家である親族に聞くのが確実な道です。
一度尋ねておけば、その額が次の回忌からの基準になります。三回忌、七回忌と付き合いは続くので、最初の一周忌で聞いておくほど後が楽になるものです。法要の日取りを相談する電話は、額を切り出す自然な機会でもあるでしょう。日程が決まったその場で、お布施の目安まで聞いてしまってください。
### 菩提寺がなければ葬儀社に尋ねる
菩提寺を持たず、法要のたびに僧侶を派遣してもらう形なら、手配の窓口になった葬儀社が金額を示してくれます。派遣の場合はお布施の額を先に提示する仕組みも多く、寺へ直接聞くより見当が付きやすいはずです。御車代や御膳料が料金に含まれるかどうかも、あわせて確かめておきましょう。
その地域でよくある額を知りたいだけなら、依頼する前の問い合わせの段階で聞いてかまいません。断る前提で聞くのが気まずいなら、法要の見積もりを取るついでに尋ねる形にすれば角が立たないでしょう。回忌が進んで法要を小さくするときも、同じ窓口に相談すれば形に合った案を出してもらえます。
## まとめ
法要のお布施は、四十九日と一周忌ならおおむね3万円から5万円が一つの目安です。三回忌から先には一律の相場がなく、一周忌と同じだけ包む家も、規模に合わせて控えめにする家もあります。額が動くのは、寺との付き合いの深さ、地域と宗派、その年の会場と会食の形という要因があるためです。御車代と御膳料は場面が来た年だけ、5千円から1万円ほど別の封筒で用意しましょう。表書きは何回忌でも「御布施」のまま変わらず、回忌で書き換えるのは参列者が包む香典の御霊前と御仏前の方です。数字を追いかけるより、菩提寺に率直に尋ねて自分の家の基準を1つ作ってください。
## あわせて読みたい関連記事
– [回忌法要の早見表|何回忌まで・いつまで営むか](/kaiki-hayamihyou/)
– [四十九日のお布施|相場・封筒・書き方](/shijukunichi-ofuse/)
– [離檀料の相場|墓じまいで寺へ包む金額](/ridanryo-souba/)


コメント